ご紹介

DeepSeekとは

DeepSeekは、中国・杭州に拠点を置くAI企業「杭州深度求索人工知能基礎技術研究有限公司(DeepSeek社)」が開発した大規模言語モデル(LLM)および生成AIプラットフォームです。2023年に設立された同社は、金融テクノロジー分野の技術を活かしてAI開発を進めており、特に最新バージョンである「DeepSeek V3」が注目されています。

開発背景と企業情報

DeepSeek社は、2023年に設立され、金融テクノロジー分野の技術を活かしてAI開発を進めている企業です。DeepSeekは、中国のヘッジファンド「幻方量化」からの資金提供を主に受けており、両者とも浙江省杭州市を拠点としています。

主要モデルと技術的特徴

DeepSeekは、独自の大規模言語モデルを開発しており、代表的なモデルとして「DeepSeek-V3」とその進化版「DeepSeek-R1」があります。特にDeepSeek-R1は、2025年1月に公開され、MITライセンスでコードやモデルの重みが提供されています。DeepSeek-V3は「Mixture-of-Experts(MoE)」技術を採用し、約6,710億のパラメータを持ちますが、実際の有効パラメータは約370億と効率的です。

多言語対応と日本語サポート

DeepSeekは、リリース当初は中国語や英語が中心でしたが、最近のバージョンでは日本語対応も行われています。ブラウザやアプリも日本語対応しているため、中国語・英語に堪能でない方でもDeepSeekを活用できます。

利用方法とプラットフォーム

DeepSeekは、ブラウザ版やアプリ版は無料で使うことができ、APIも他のAIと比べ低価格での利用が可能です。iOS版・Android版のスマートフォンアプリがリリースされており、バージョン1.0.4から日本語にも完全対応しています。利用手順は以下の通りです。

  • App StoreもしくはGoogle Playをタップ
  • DeepSeekと検索してアプリをダウンロード
  • アプリを開きメールアドレスかGoogleアカウントでログイン

料金体系とコストパフォーマンス

DeepSeekのAPI料金は、入力トークン数と出力トークン数に基づいて課金されます。料金は1Mトークン(100万トークン)ごとに設定されており、以下の価格構成となっています。

  • deepseek-chat(V3):入力0.27ドル、出力1.10ドル
  • deepseek-reasoner(R1):入力0.55ドル、出力2.19ドル

このように、DeepSeekは高性能でありながら低コストで利用できる点が特徴です。

セキュリティとリスク

DeepSeekには、セキュリティや国家安全保障に関するリスクが存在します。具体的には、以下のような懸念が指摘されています。

  • ユーザー情報が中国の法律で管理されており、中国政府がデータにアクセスできる可能性がある
  • ブラウザ版において、通常は非公開にすべきログやAPIキー、チャット履歴などが保存されたデータベースが公開されていた
  • モバイルアプリ版では、機密データが暗号化されていなかったり、暗号化されていても容易に解読できる方法が採用されていた

これらのリスクを考慮し、利用時には慎重な判断が求められます。